確かに、顧客の要求が水準の高いもの、的確なものであるのであれば、その顧客の要求に応えることは顧客志向の実践と言えるかもしれません。しかし、もしその顧客の要求が水準の低いもの、あるいは的外れなものであるとすれば、その顧客の要求をアファーマティブに受け入れて対応することで、顧客の人生のクオリティやパフォーマンスはむしろ低下してしまうでしょう。
志向という言葉はもともと「対象に向かって心を働かせること」を意味します。ですから、もし「顧客志向」という言葉の本来の意味に立ち返るのであれば、その欲求や要求に対応することで、長期的には顧客の状態がより悪化するリスクのあるような要求に、誠かつ実直に対応することは、むしろ顧客志向の放棄を意味します。「顧客主語」とかよく言われますが
見識も常識も持たない「甘やかされた子供」の欲求や要求になにくれとなく応え続ければ、それは当人にとって、さらには社会にとって悲劇と言っていい結果を招くことになるでしょう。
これは、言われたことを鵜呑みにすることではなく
本質的な要求を見出し、その解決策を提供する
それが大切だということです。
お客様をよりよい方向へと導いていく
それが顧客主語であり
それも顧客主語なのかもしれません。
「客への神対応」に熱心な企業はむしろ潰れやすい…
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